1−9 百花の「なるほど!国宝」メモ

法金剛院は1130年の創建。その時につくられた西御堂の本尊が今日まで伝わり、今も法金剛院の本尊としておまつりされています。作者は院覚。造像年、作者、由来のすべてがわかっているなんてすごいですね。さすが、国宝!


法金剛院は、待賢門院がこの世に極楽世界をつくりだそうと贅をつくしてつくったお寺です。建物が残っていないのは残念ですが、仏像と庭園(発掘、復元されたもの)がともに伝わっています。これもとてもすごいことですね。


阿弥陀如来像は優美で格調高い本格的な定朝様式の仏像です。作者の院覚は定朝の流れを汲んでいます。


そうはいっても、定朝の仏像の単なるコピーじゃありません。繊細な美意識がさらに進められていて、院政時代の支配層の美意識を私たちに伝えてくれています。特に蓮華座と光背の当初部分は優美さ、ここに極まれり!って感じです。