稲田寺の阿弥陀如来像
平泉に行くはずだった?仏さま
住所
下田市1丁目14-5
訪問日
2008年3月22日、 2013年6月22日
この仏像の姿は(外部リンク)
拝観までの道
稲田寺(とうでんじ)は伊豆急下田駅の南西、徒歩5分くらいのところにある。
拝観料
志納
お寺のいわれ
開創は室町時代。こじんまりしたお寺だが、幕末には下田奉行の宿舎になるなどしたそうで、観光マップでもとりあげられている。地元の人に聞けば場所はすぐわかる。
阿弥陀如来像はもとはこの寺の末寺にあったものといい、客仏として門を入ったすぐ右の阿弥陀堂に安置されている。
拝観の環境
阿弥陀堂は日中開いているようで、自由に拝観可。
堂内は外の光が入って明るく、よく拝観できる。
仏像の印象
像高2メートルを越える坐像で、やや小さめの丈六像。これほどの大きさの像は伊豆地方ではこの像だけである。材はヒノキで、寄木造。
穏やかな顔つきで、流麗な衣文、バランスのよい体つきは、典型的な定朝様式を示す。平安時代末期頃の作と思われる。脇侍像がつくが、こちらは近世の補作。
この像については、海路平泉に運ぶ途中下田に立ち寄り、その際何かの事情からこの地に安置されたものという伝承がある。当否はともかく、たしかにこの像が中尊寺の宝物館にあったとしても何の違和感も感じないように思われる。それほど洗練された像である。ただし近世に修理が入っているようで、膝の衣文線などは彫り直されている可能性がある。
さらに知りたい時は…
「伊豆の仏像を巡る」29(『伊豆新聞』2012年12月23日)、田島整
『伊豆の仏像 南部編』、上原仏教美術館、1992年