九州国立博物館の観音菩薩像
京都・清和院旧蔵

住所
太宰府市石坂4 - 7 - 2
訪問日
2016年3月6日
この仏像の姿は(外部リンク)
館までの道
太宰府駅から太宰府天満宮参道を経由し、徒歩約10分。
原則月曜日休館。
入館料
文化交流展(平常展)700円
仏像のいわれなど
九州国立博物館の文化交流展示室(第6展示室)で常設展示されている観音菩薩像は、もとは京都の清和院にあり、近世には洛陽三十三観音のひとつとして信仰されていた。
それ以前は、感応寺(廃寺)という寺にあったという。
感応寺は河崎観音堂とも呼ばれ、賀茂川と高野川が合流するあたりの西岸にあったという。今の京都市上京区になろうか。奈良・薬師寺の一演という僧が貞観年中(9世紀)に創建したと伝わる。
本像は弘法大師空海が刻んだとの伝承があるが、作風より9世紀後半ごろの作と思われる。頭上面をつけたあとがあり、本来は十一面観音像であった。
見学の環境
ケース内でない展示で、全方向から見ることができる。
仏像の印象
カヤの一木造。もともと台座蓮肉まで一材で彫り出していたそうで、内ぐりもないという古様なつくりである。
顔が小さく、下半身が長い。全体に神秘的な雰囲気がある。像高150センチあまりの立像なので等身大よりやや小さめの像であるが、大きく感じられる。
目は伏し目がち。顔の上半分にある丸みのあるまぶたやその上の整然と整えられた髪束が強い印象を与え、一方鼻の下やくちびる、あごは小さい。そうした顔つきによって神秘的な印象があるのかもしれない。
胸のふくらみや下半身の衣には陰刻線も用い、下肢には翻波式衣文が使われている。
腰をわずかにひねって、右足を半歩前に出して、動きのある姿である。
さらに知りたい時は…
『わたしのはなし』(きゅーはくの絵本6)、九州歴史博物館、フレーベル館、2008年