法雲寺の阿弥陀如来像
2月15日の涅槃会で開扉

住所
川崎市麻生区高石2−6−1
訪問日
2010年2月15日
この仏像の姿(外部リンク)
拝観までの道
小田急線の百合ヶ丘駅から西北へ徒歩10〜15分。
お寺までの道しるべ等なく、坂道があり、狭い道も通るので、地図は必携。
本尊の阿弥陀如来坐像は毎年1回、2月15日、涅槃会の日にご開帳となる。14時頃に法要があり、その後16時ごろまで開いている。
なお、『かわさきの文化財入門』(上)によれば、2月15日のほか、10月15日も公開しているとのこと。
拝観料
志納
お寺や仏像のいわれ
お寺は近世の創建で、もと臨済宗だったが、現在は曹洞宗。近代に一度廃寺となり、残されたお堂を村人が守ってきたそうだ。
本尊は禅宗寺院には珍しく阿弥陀如来像で、寺伝によると後白河法皇の守護仏だった像という。
拝観の環境
厨子は高い位置にあり、また前には飾り物があって若干見えにくいが、堂内は明るい。
仏像の印象
像高は約75センチとやや小ぶりながら、平安後・末期の本格的な定朝様式の仏像である。
肉髻は美しい半円形で、大きめだが、下から見上げるとバランスよい大きさに見える。顔は整い、顎は小さくつくる。胸はゆったりと広く、衣の流れは美しい。下半身はやや小さく見える。手は来迎印を結ぶ。
近年、数ヶ月かけて修復を行ったそうだ。この時表面の後補の仕上げをすべてとってしまった。川崎市教育委員会が公開している画像では、肉身部は金色をしているが、今はそれがすっかりなくなって、古色仕上げとなっている。かつての写真のイメージとはまったく違って、同じ像かと思うほどである。落ち着きの中に張りのある豊かな像の姿がよみがえった。
その他
脇侍は地蔵菩薩と勢至菩薩という組み合わせで、珍しい。
さらに知りたい時は…
『かわさきの文化財入門』上、川崎市教育委員会、2013年
『川崎市文化財図鑑』、川崎市教育委員会、1994年