教恩寺の阿弥陀三尊像
来迎の姿

住所
鎌倉市大町1-4-29
訪問日
2014年2月1日
拝観までの道
鎌倉駅の南南東、徒歩数分のところにあるこじんまりとした寺院。
駅の南を東西に通っている県道311号の横須賀線踏切と「大町四ツ角」交差点の中間あたり、路地を北側に入ると門がある。
拝観は事前連絡必要。
拝観料
200円
お寺や仏像のいわれなど
宗派は時宗で、創建は戦国時代、江戸時代前期に現在地に移ってきた。
ところが、本尊はそれよりずっと以前の鎌倉時代作の阿弥陀三尊像。残念ながら、本来はどの寺院の像であったか、どのような経緯でこのお寺に迎えられたのかなど、不明である。三尊とも立像で、来迎する姿をあらわしている。
寺の伝えによれば、源平合戦で捕えられ処刑された平家の公達の平重衡(しげひら)がその死の前にこの像に祈ったという。また、運慶作とする伝えも残されているが、実際の像の特徴は快慶の作風に近い。
拝観の環境
本堂内陣の壇上のやや暗い位置に安置される。
仏像の印象
中尊の阿弥陀如来立像は像高約1メートル、寄木造、玉眼。来迎印を結ぶ。
目は少しつり上がり気味。こめかみから頬にかけてはふくらみ、口もとに向けてへこんでいく曲面がとても自然で、鎌倉仏の写実性がよくあらわれているといえる。
肉髻は低め。正面の髪際はまっすぐにつくられている。また、肩や胸元の衣は単純明快である。衣の線は比較的浅く刻まれる。
脇侍の菩薩像は、丸顔に細い体で、プロポーションがよい。
向かって右の観音菩薩像は蓮台をささげ、勢至菩薩は合掌する。足を少し曲げて腰をややかがめ、来迎の姿を示している。
衣の襞(ひだ)は中尊同様全体におとなしい。
裙を折り返し、腰布を着ける。観音像はさらに細い腰布を巻くが、勢至菩薩像はこれを着けないかわりに腰での折り返しの意匠を工夫するなど、左右の像で変化をつける
さらに知りたい時は…
『運慶と鎌倉』、神奈川県立金沢文庫ほか、吉川弘文館、2024年
『真教と時衆』(展覧会図録)、遊行寺宝物館ほか、2019年
『運慶 鎌倉幕府と霊験伝説』(展覧会図録)、神奈川県立金沢文庫、2018年
「鎌倉・教恩寺阿弥陀三尊像と快慶」(『成城美学美術史』16)、大澤慶子、2010年3月
『神奈川県文化財図鑑 補遺編』、神奈川県教育委員会、1987年
「教恩寺阿弥陀三尊立像に就て」(『鎌倉』23)、皆川祥子、1974年10月
