檜尾寺の千手観音像
8月18日など年に数日公開

住所
甲賀市甲南町池田43
訪問日
2019年8月18日
拝観までの道
檜尾寺(ひのおじ)はJR草津線甲賀駅下車、徒歩約15分。
駅の南口を出て県道(775号)を進む。杣川を渡り、称名寺を過ぎたら右折、左側の鳥居のある道に入るとすぐ。
本尊千手観音像は秘仏で、8月18日のほか、正月3が日と2月1日に公開されているとのこと。
拝観料
志納
お寺や仏像のいわれなど
天台宗の古刹で、9世紀なかばの創建と伝える。
お隣は檜尾神社。入口の鳥居はこの神社のもののようで、かつては一体であったのだろうと思われる。
拝観の環境
扉口から小さなアクリルガラスごしに覗いての拝観である。堂内は明かりがともされているが、像までの距離がややあり、あまりよく見ることは難しい。
防犯上、また野猿などの被害の恐れがあるためとのこと。
ただし、事前に問い合わせて、ご住職のご予定が許せば、時間によっては庫内で拝観できる可能性もある。
仏像の印象
千手観音像は像高約180センチの立像。寄木造、彫眼。鎌倉時代の作と考えられている。雄大な雰囲気のある像で、圧倒される。
四角張る顔、ややなで肩、胸は大きくたくましい。
条帛の下のへそがまさに中心となって、上半身、下半身のバランスがとれ、美しく開く脇手が存在感をかもしだしている。
腰布をつける。大きく折り返した衣はゆったりとひだをつくって、古像の雰囲気を出す。
下肢では大きな波、小さな波を繰り返してリズムを出している。
その他
本尊の向かって左に安置されている釈迦如来像は像高約150センチの立像。寄木造で鎌倉時代後期頃の作と考えられている。本尊と好対照ともいうべき穏やかな作風の像だが、収蔵庫の外からだと角度が悪くよく見ることは難しい。
さらに知りたい時は…
『甲賀市史』2、甲賀市史編さん委員会、2012年
