来現寺の聖観音像
正月、春彼岸中日などに開扉

住所
長浜市弓削町173
訪問日
2014年3月21日
この仏像の姿は(外部リンク)
拝観までの道
来現寺の聖観音像は秘仏で、1月1日~3日、春の彼岸の中日および8月25日の開扉をしている。拝観できるのはこのご開帳の日であるが、その場合でも事前に連絡を入れてほしいとのこと。
北陸本線の虎姫駅の西方、高時川を渡った弓削(ゆうげ)という町にある。
虎姫駅には台数が少ないがレンタサイクルがあるので、それを借りるつもりだったが、私がうかがったこの日は雪まじりの荒天となってしまったため、駅からタクシーを使った。
タクシーはほぼ駅前に常駐しており、料金は1500円くらい。帰りは駅まで歩いたが45分くらいだった。
拝観料
志納
お寺や仏像のいわれなど
浄土真宗の寺院。
聖観音像は平安時代前期の作で、かつてこの近くにあった満願寺(廃寺)の旧仏との伝えがある。
お寺と接する南側に弓削神社があり、その境内の収蔵庫内に安置されているのだが、管理は来現寺が担当しているということらしい。
拝観の環境
収蔵庫内で、近くより拝観させていただけた。
仏像の印象
聖観音像は像高約180センチの堂々たる立像。カヤと思われる針葉樹の一木造である。下半身には内部に空洞があるそうで、ウロのある木をわざわざ用いたのは、特別に由来のある木材を用いたためなのかもしれない。腕や足は後補。
全体の立ち姿、顔の様子、そして下半身の衣の動きのすべてがすばらしい。
体は顔に比べてやや細身である。怒り肩。わずかに腰を左にひねり、右足を少し遊ばせている様子が絶妙なバランスである。上半身はそりぎみにして、顔はまっすぐに向く。
顔つきは、眉とあごをしっかりとつくって、全体に威厳がある。口は小さめだが、これも力強く彫られている。上まぶたのふくらみも自然である。まげは低め。
裙のひだは、折り返しの部分がざわざわと波うち、その間に渦巻きの文を大きく刻む。中央部はひだを略し、足首に近くなって紐のように太いひだをつくっている。
さらに知りたい時は…
『びわ湖・長浜のホトケたち』Ⅱ(展覧会図録)、長浜市発行、2016年
『仏像』(展覧会図録)、東京国立博物館・読売新聞社、2006年