光明寺の十一面観音像
1月17日に開帳
住所
甲賀市甲賀町五反田899
訪問日
2009年1月17日
拝観までの道
光明寺は、滋賀県最南部の甲賀市の中でも三重県との県境に近い南部に位置する。
最寄り駅は草津線の油日(あぶらひ)である。寺の近くまで行く甲賀市のコミュニティバスの路線があるが、本数は少ない上に土日は走っていないので、駅から徒歩の手段しかない。40分くらいである(2009年11月より油日駅でレンタサイクルのサービスがはじまったとのこと。問い合わせは同駅へ)。
草津線に沿って東南に20分ほど行くと、線路を跨ぐ大きな陸橋があるので、それを渡って今度は西南方向へ。案内表示等ないので、地図は必携。
十一面観音像は観音堂の厨子中に秘仏としてまつられている。
開扉されるのは1年に一度、1月17日の午前11時ごろから1時間程度である。
*3月第2日曜日にも開扉されるという情報あり。
拝観料
志納
仏像のいわれ
もとは近くの天台宗寺院、観音寺(廃寺)の秘仏本尊であったと伝える。
拝観の環境
厨子中に安置されているので、正面からのみだが、すぐ前で拝観できる。照明もあり、たいへんよく拝観できる。
仏像の印象
像高1メートルあまりの立像で、とても美しい仏像。
ヒノキの一木造で、内ぐりもなく、右手は本体と共木で彫られていて、古い構造の像である。
一方、ほおに張りがあり、やや下ぶくれの顔つきに見える。目鼻立ちは整い、プロポーションがよい。衣の襞(ひだ)は煩瑣でなく、時代は平安後期と思われる。
裙の上端は2段に折り返され、その端は帯のようにも見え、彩色もわずかに残る。裙の裾は両足の間にぼってりとかかる。2段になって下半身にかかる天衣は襞の彫りも深く、ひねりも入り、細やかなつくり。
左手、垂下する天衣、持物などは後補。
さらに知りたい時は…
「仮称『甲賀様式』の仏像について」(『滋賀県立琵琶湖文化館研究紀要』2)、井上一稔、1986年
『湖国の十一面観音』、石元泰博、岩波書店 、1982年