会勝寺の千手観音像
年2度開帳の秘仏
住所
近江八幡市安土町下豊浦6220
訪問日
2009年1月17日
拝観までの道
会勝寺(會勝寺、えしょうじ)は安土駅から北へ徒歩約20分、安土城跡のすぐ西側にある。
千手観音像は秘仏で、年2度、1月17日と7月17日の午後の時間帯に開扉される(電話で確認してお訪ねするのがよい)。
拝観料
志納
お寺や仏像のいわれ
天台宗寺院。
信長が安土城を建てたときに破却されたが、仏像は里人によって救われ、安土落城後に再びこの地に帰ったという伝えがある。
拝観の環境
厨子中にあるので正面のみだが、照明もあり、すぐ前まで寄ることができるので、よく拝観できる。ただし、前に花などが華やかに飾られ、下半身はやや見にくい。この1月17日の夜には大護摩を焚くそうで、そのための飾りのようだ。
仏像の印象
全体の印象としては、素朴な仏像である。
眉や目の彫りは浅く、特に目はくっきりとはあらわさない。これは、この時期の地方の仏像に時折みられるもので、瞑想をしている様子をあらわすものであろうか。顔の輪郭は下ぶくれで、鼻や口はきれいな格好をしている。
衣文の方に目を移すと、襞(ひだ)が極端に省略されている。条帛は正面の合掌手の後ろで大きく曲がり、腹帯のように太く広がる。条帛の先端が垂れている様子や脇手が出ている部分も素朴そのものである。下半身はアンバランスに感じるほどスリムである。
少し下がって、護摩壇の脇から見上げると、お顔は極めて美しい。
さらに知りたい時は…
『続・十一面観音の旅』、丸山尚一、新潮社 、1994年