庄毘沙門堂の兜跋毘沙門天像
一木彫の豊かな量感
住所
松山市庄
訪問日
2009年3月28日
この仏像の姿(外部リンク)
拝観までの道
伊予北条駅から東へ3キロ半くらいのところに十輪寺というお寺がある。そのすぐ南側に小さな毘沙門堂がたっている。
地元の方々がお守りしているが、十輪寺も鍵を預かっている。お堂はガラス戸なので、そこから覗くだけなら自由。
開けていただいて、中での拝観を希望する時には、十輪寺への事前予約が必要。
伊予北条駅から歩くと45分くらいである。また、駅前にはタクシーが常駐している。
拝観料
志納
お堂のいわれなど
十輪寺や毘沙門堂、その西南にある薬師堂の一帯は庄という地名で、その語源は「荘園」ではないかと推測されている。東から西へと立岩川が流れ、川沿いに平野が広がる豊かな土地で、かつては庄府寺というお寺が栄えていたという。
毘沙門堂は平安時代の兜跋(とばつ)毘沙門天像をまつった小さなお堂で、南面して立っている。もとは庄府寺の一院であったのかもしれない。
拝観の環境
お堂は明るく、とてもよく拝観できる。
仏像の印象
像高は180センチ余。カヤの一木造である。
毘沙門天像は通常は邪鬼に乗るが、この像は地天という女神像に支えられる兜跋毘沙門天像である。姿勢よく、しっかりと立っているが、全体に傷みが激しい。両腕のほか鼻も失い、彩色も落ちて素地をあらわしているばかりでなく、表面の彫りも風雨によって損耗が進んでいる。そのためか、怒りの表情も緩和されて、穏やかにみえる。しかしもとは堂々とした冠、角張った顔、見開いた眼から、迫力ある像であったと思われる。腰の肉付きはいかにも一木造という感じである。
地天の表情はやはり傷みがすすんでいてよく分からないながらも、穏やかで優しい雰囲気がある。
その他
毘沙門堂の西南にある薬師堂の拝観も十輪寺で受け付けていただけるので、電話予約の際に両方の拝観をお願いしておくとよい。
さらに知りたい時は…
「謎を秘めた仏たち25 愛媛県庄の仏」(『目の眼』275)、川尻祐治、1999年8月
『愛媛の文化財』、愛媛県教育委員会、1982年