円鏡寺の不動像、仁王像
毎月21日に不動堂開扉
住所
北方町北方1345
訪問日
2010年2月21日
拝観までの道
JR大垣駅から樽見鉄道樽見線に乗車し、5つめの北方真桑駅で下車、東へ徒歩約25分。北方(きたがた)町役場のそばにある。
別の行き方としては、岐阜駅、名鉄岐阜駅から岐阜バス北方円鏡寺線、大野真正北方線で「北方円鏡寺前」下車。
→ 岐阜バス
お寺の中央に楼門(鎌倉時代)が東面して立ち、これをくぐって、池にかかる橋を渡ると正面が観音堂(江戸時代の再建)。その隣に近年に建てられた三重塔がある。一方楼門の北東側のエリアに本坊と大師堂がある。2か寺を合わせたようなゆったりとした広さをもつお寺である。
拝観料
志納
お寺や仏像のいわれ
創建は弘法大師・空海と伝え、平安時代に伽藍が整えられたという古刹。
大師の命日とされる21日には法要があり、賑わう。
仏像は楼門の金剛力士像(仁王像)と観音堂本尊の聖観音像、大師堂の脇の間にまつられている不動明王像が重要文化財指定を受けている。
このうち聖観音像は像高170センチ弱、寄木造、蓮台を捧げて立つ美しい像であるが、観音堂裏の耐火建築の収蔵庫に移されていて、開扉の予定はないという。
大師堂の不動明王像
大師堂は毎月21日に開扉され、法要が行われる。筆者がお寺に着いたのは11時ごろで、ちょうど法要がはじまるところだった。境内の写真をとったり、早いお昼をとったりしているうちに法要が終わったので、お堂にあげていただいて拝観できた。
中央の厨子はわずかに開かれ、生きているような空海像が安置されているのを拝むことができた。
不動明王の厨子はその向って左側にあり、こちらも大きくは開かれてはいない。像まではやや距離があり、かつ中は暗いので、肉眼では顔の表情などほとんど分からない。
寄木造で像高180センチ余の立像だが、それ以上に大きく見え、太い腕や強くひねった腰など、たいへん力強い像であるように感じた。
楼門の仁王像
仁王像は楼門内に一対で立ち、像高は約2メートル半、寄木造で玉眼、鎌倉時代の作である。
眉や鼻を大きく前にせりだしているが、口もとなど誇張を避けて、安定感のある造形である。腹の筋肉や衣の翻りなども控えめ。体に充満する力の溜めとバランス感覚がうまく共存した仁王像と思う。網越しの拝観。
その他
円鏡寺不動明王像のレプリカが、岐阜県博物館の人文展示室で常設展示されている。
さらに知りたい時は…
『飛騨・美濃の信仰と造形』(展覧会図録)、岐阜県博物館、2012年
『岐阜県の仏像』、岐阜県博物館、1990年
『岐阜市史 通史編 中世』、岐阜市、1969年