防府天満宮の大日如来像
神社の宝物館に安置される大日如来
住所
防府市松崎町14-1
訪問日
2009年3月29日
拝観までの道
山陽本線の防府駅天神口(北口)から徒歩約15分。
大日如来像は正面の階段を上りきった左側に立つ宝物殿(歴史館とも)に展示されている。
お札頒布所でお願いすると開館してくれる。
拝観料
入館料一般300円
神社や仏像のいわれなど
防府はその名の通り、周防の国府があったところである。
流罪になった菅原道真が途中ここに寄ったとして、その死後天満宮がつくられた。全国の天満宮のなかでも、京都・北野社、太宰府天満宮とならび、由緒ある天満宮で、かつては松崎天満宮と称した。
他の多くの神社同様ここも近代初期の神仏分離以前はお寺と一体であり、真言宗の満福寺という寺院が9つもの坊を構えていた。大日如来像はそのいずれかの仏像であったものと思われる。
拝観の環境
ガラスケースごしだが、近くからよく拝観できる。
仏像の印象
像高は約1メートルの坐像。一木造だが、面部は割矧いで内ぐりをほどこしている。
表面の傷みが進んで、像容を損ねていて残念だが、全体的には端正につくられた像である。
彫りは全体に浅く、膝の高さが低いなど、平安後期の特色を示すが、一方で古様さや、膝の左右の張りのバランスが悪いなど地方的かと思われるところもある。
顔は四角ばり、やや硬い表情である。
さらに知りたい時は…
『防府天満宮展』(展覧会図録)、山口県立博物館、2011年
『国宝・重要文化財 仏教美術 中国3』、奈良国立博物館編、小学館、1977年