仙台市博物館寄託の十二神将像
陸奥国分寺の仏像

住所
仙台市青葉区川内26番地
訪問日
2008年7月20日、 2014年8月16日
この仏像の姿は(外部リンク)
仙台市博物館までの道
仙台市博物館は、仙台城(青葉城)三ノ丸跡にある。交通は、仙台駅西口バスプール9番乗り場から仙台市営バスにて約10分、「博物館・国際センター前」下車、徒歩約3分。
原則月曜日が休館。
筆者が行ったとき(2008年)には、2階の総合展示室に陸奥国分寺に伝わる鎌倉時代の十二神将中の6躰(子・寅・卯・申・酉・戌の各神将像)が展示されていた。
展示替えが年に何回かあるが、この十二神将像は2躰〜6躰が交代で展示されることが多いようだ。念のために問い合わせてから行くのがよい。(2014年に訪問した際は、丑・辰・巳・午・未の5體の像が展示されていた。)
*仙台市博物館は改修工事のため休館中。2024年4月再開予定とのこと。
入館料
常設展入館料 一般400円
陸奥国分寺について
陸奥国分寺は仙台市内、仙台駅の東方(仙台市博物館とは反対側)にある。
奈良時代の国分寺建立の詔により最北の国分寺として建てられ大伽藍を誇ったが、頼朝による奥州藤原氏攻めでことごとく焼失したという。鎌倉時代の仏像が残ることから、その後に復興が進んだとみられるが、その間の事情はよくわからない。さらにそののち、江戸時代に伊達氏によって再興された。
本尊は秘仏の薬師如来像で、古い写真を見るとそのまわりに十二神将像などが立ち並んで壮観であったようだが、宝物館ができて仏像(秘仏本尊以外?)はそちらに移された。その後宝物館工事のため、十二神将像は仙台市博物館に寄託されている。
拝観の環境
ガラスケースごしだが、明るい中でよく見ることができる。
仏像の印象
ケヤキかカツラと思われる木を用い、割矧(わりは)き造で、像高は各1メートル強である。
頭に十二支をいただいているが、ややバランスが悪く、後でつけられたもののようである。
頭や顔の表情、ポーズ、服制、姿勢が一体ごとに異なり、力強いのまなざしのものもいれば、田舎風のいかつい顔つきの像もあり、なかなかバラエティに富み、優れた出来映えの像である。ユーモラスな雰囲気があり、見飽きるということがない。
さらに知りたい時は…
「陸奥国分寺の仏像−主に表面仕上げに関するデータから」(『仙台市博物館調査研究紀要』27)、酒井昌一郎、2007年
「陸奥国分寺の不動明王・毘沙門天・十二神将」(『仙台市博物館調査研究紀要』23)、酒井昌一郎、2003年
『仏像集成』1、久野健編、学生社、1989年
『宮城県史』13、宮城県史刊行会、1980年