阿日寺保管の大日如来像

  常盤寺の仏像

住所

香芝市良福寺361

 

 

訪問日 

2011年7月17日

 

 

 

拝観までの道

近鉄南大阪線の二上神社口駅から東へ、近鉄大阪線の近鉄下田駅から南へ、またはJR和歌山戦のJR五位堂駅から西へ、それぞれ20分くらい。

拝観は水曜日以外の日の午前中に可能。ただし、事前連絡必要。

 

 

拝観料

志納

 

 

お寺や仏像のいわれ

『往生要集」を著した源信が生まれた場所を寺としたのがこの阿日寺だそうだ。本尊は阿弥陀如来。

斑鳩の吉田寺と同様、苦しまずにぽっくりと亡くなることができるという信心がさかんな「ぽっくり寺」として知られる。

 

本尊に向って右側の間に安置されている大日如来像は、近くの常盤寺の仏像。この寺が無住となり、阿日寺の住職さんが兼務をしているために、このお寺に移されて管理をされているとのこと。

 

 

拝観の環境

すぐ間近で拝観させていただける。

 

 

仏像の印象

大日如来像は像高90センチ余りの坐像。クスノキの一木造。平安時代の作。

冠をつけ、手は腹前で組む、胎蔵界大日如来。光背、台座は後補。

 

地方的な造像ということもあるのだろうが、なかなかユニークな像と思う。

頭と体、左右のバランス、脚部のつくりなど、似た仏像を思い出すのが難しい。

はじめとまどうが、よく拝観させていただいていると、そのよさがじわじわと感じられてくる。

 

顔は優しく、豊かな表情。目と口もとでほほえんでいる様子が魅力的である。額の上の盛り上がった髪も素朴で可愛らしい。顎はしっかりとつくる。

三道は深く彫り込まれる。

体や足は細長いが、よく見ると頭部や腹部は厚みがある。

脚部はよく左右に張るが、下がった膝頭はこの像に安定感よりは浮遊感のようなものを与えている。全体的に左右のバランスが若干悪く、また胴が長いわりにそれを受ける脚部が低いせいもあって、一木造のどっしり感よりもふわりと軽い感じがする。宇宙そのものであるという大日如来らしい姿を追求した結果、こうした姿に彫り上げられたのではないかと想像したくなる。

 

 

仏像探訪記/奈良県