西福寺収蔵庫の諸像
毎月第4日曜日の法要後に開扉
住所
奈良市奈良阪町2403
訪問日
2013年1月27日
拝観までの道
西福寺は奈良阪の名刹・般若寺の北、500メートルほどのところにある。
交通は、JRまたは近鉄の奈良駅から青山住宅行きの奈良交通バスに乗車し、「奈良阪」下車。旧道を南に100メートル行った右側(西側)にある。
このお寺では、毎月第4日曜日早朝にお勤めを行っており、その時にうかがうと仏像の拝観が可能である。ただし、雨天など多湿時には収蔵庫の拝観はできない。
お勤めはだれでも参加ができるが、前もって連絡をして、収蔵庫の拝観を希望することを伝えておく方がよいかもしれない。
筆者が参加させていただいた時には、お勤めは7時にはじまり、読経、念仏ののち講話をいただき(あわせて35〜40分くらいだった)、そのあと、仏さまの拝観をさせていただけた。
拝観料
志納
お寺や仏像のいわれなど
浄土宗寺院。
隣には奈良豆比古神社という大きな神社があり、その前に高札場が復元されている。ここが奈良の町の入口であることがこのことからもわかる。
西福寺が建つ場所は奈良の北の分水嶺上だそうで、境内の北側は木津川水系、南は大和川水系なのだそうだ。まさに「境」に建つお寺なのである。
このお寺には、平安時代後期ごろの古仏が6躰伝来している。
まず、本尊は阿弥陀如来立像で、本堂安置。
収蔵庫には、坐像の阿弥陀如来、釈迦如来、薬師如来の各像と不動明王立像、毘沙門天立像が安置されている。
収蔵庫の仏像は、かつて近隣にあった善城寺から移されてきたものと西福寺では伝えている。
拝観の環境
本尊像は、前の飾り物のために下半身はあまりよくは見えないのと、外陣からの拝観となるために、やや距離がある。しかし、端正な顔つきに、整った小粒の螺髪、なで肩だがしっかりと豊かな上半身が魅力的な像であることが見てとれる。
ヒノキの割矧(わりは)ぎ造。像高は1メートル弱。
収蔵庫の仏像は、庫内、近くよりよく拝観させていただける。
収蔵庫の仏像について
3躰の如来坐像は、いずれも像高90センチ弱で、定朝様の整った姿をとる。左手は胸前でてのひらをこちらに向け、右手は膝の上に置く姿も共通するが、足の組み方は向って左側の薬師如来像は右足を上にして組み、中央の阿弥陀如来像、向って右側の釈迦如来像は左足を上に組む。
よく見ていくと、3像の中で薬師如来像がもっとも安定感に富むように思える。
顔はやや童形のような若々しさややさしさがあり、胸は堂々と広く、衣の線はのびやかで、脚部も左右によく張っている。
不動明王像と毘沙門天像は、ともに像高約1メートルの立像である。頭部が小さく、プロポーションがよい。不動像は安定した立ち姿だが、毘沙門天像は動きを出そうと意図して、ぎこちなさがみえてしまっている。
不動明王像の衣には鮮やかな彩色や切り金が残っていて、美しい。