帯解寺の地蔵菩薩像

  子安地蔵として名高い

住所

奈良市今市町734

 

 

訪問日 

2014年3月22日

 

 

この仏像の姿は(外部リンク)

子安山帯解寺・本尊

 

 

 

拝観までの道

奈良駅から桜井線(万葉まほろば線)で2駅めの帯解(おびとけ)駅で下車、北へ5分とかからないところにある。

 

受付で拝観を申し込むと、呼んでくださるので、奥へと進んで拝観できる。

本尊の地蔵菩薩坐像は安産の仏として有名で、12日に一度まわってくる戌の日はことに祈願の方が多く、拝観が難しい場合があるとのこと。

 

 

拝観料

400円

 

 

お寺や仏像のいわれなど

寺伝によると、空海の師、勤操が開いたという。平安前期の文徳天皇の皇后がこのお寺に祈って皇子が誕生したことにより、安産祈願で有名なお寺となったと伝える。

戦国の兵火、幕末の地震にあい、現在の本堂は1858年に再建されたもの。こうした天災の際しても本尊は救出されて、現在へと伝わる。

 

 

拝観の環境

本尊は本堂の奥に接続する収蔵庫に安置されている。近くで拝観できる。

ただし、このお寺は上述のように安産祈願で大変高名であり、全国からご祈願の方の来訪が絶えない。その間での拝観となるために、じっくりと拝観ということは難しい。筆者が訪れたのは土曜日の午後の時間であったので、これが平日であればまた違っているのかもしれないが。

 

 

仏像の印象

像高は約180センチ、ヒノキの寄木造。鎌倉時代の作。

右足を前にはずし、左足を踏み下げ、手には錫杖と宝珠を持つ。

幕末の地震のために大破したそうで、細部にはかなり補修の手も加わっているらしいが、実に堂々として頼もしいお地蔵さまである。

 

とにかく顔が大きく、頬がふくれるように丸い。いかにも円満な相の魅力的な像である。

髪際はカーブし、鼻、口は小さめ。縁には陰刻線を入れた唇や微妙なカーブを描く目などていねいなつくりをしている。

お腹に裙の結び紐を見せる。右肩から下がる衣は左肩へと回さずに右足の上に垂らす。踏み下げる左足はやや斜めにして自然な体勢を見せている。

 

 

その他

春秋に普段は公開していない仏像、仏画を拝観できる時期がある。この時には拝観料は500円となる。

春の「秘仏公開」は毎年3月1日~15日まで。

秋の「秘仏・秘宝特別開帳」は11月上旬の約1週間(お寺のホームページでご確認ください)。

 

 

さらに知りたい時は…

『帯解寺』(お寺発行の冊子)、1998年(再販)

 

 

仏像探訪記/奈良市