安明寺の薬師如来像
生気あふれる鎌倉仏

住所
奈良市高樋町1130−1
訪問日
2013年1月27日
拝観までの道
JRか近鉄の奈良駅より奈良交通バス34系統米谷町(まいたにちょう)行きに乗車し、「精華小学校」下車、徒歩5分。ただし、バスの本数はとても少ないので、注意が必要。
→ 奈良交通バス
バスの来た方へ少し戻り、幼稚園の先を右へ入る。細い道を100メートルくらい西へ、そこから北への道は厳しい上り坂となる。長い距離ではないが、特に案内表示等ないので、地図は持つ方がよい。
拝観は事前連絡必要。
拝観料
志納
お寺や仏像のいわれなど
かつては臨済宗だった(現在は単立)そうで、もと現在地より東南の山麓にあり、戦国〜桃山時代の兵火のために焼失、その子院があったこの場所に本堂を移したという。
近代に無住となり、近くの円照寺(西北に3キロほどのところにある門跡寺院、美しいお庭で知られるが普段は非公開)が管理していたこともあったとのこと。
拝観の環境
本尊の薬師如来坐像は本堂奥の壇上高い位置に安置される。やや暗いが、よく像容がわかる。
仏像の印象
像高30センチほどの比較的小さな仏像である。ヒノキの割矧ぎ造、玉眼。
顔は目をつり上がり気味にあらわし、やや面長。きりりと引き締まった顔つきがりりしい。玉眼が像に生気をもたらしている。耳もふくよか。肉髻は低め。
上半身は高めにつくり、胴は絞って、脚部は大きく張り、安定感がある。
衣にくるまれた足の実在感があり、衣の襞は賑やかで、変化をつけ、美しく刻まれる。
螺髪や左手は後補だが、全体に保存状態はよい。全身は落ち着いた金泥の輝きを保つ。光背も当初のもの。
また、像内も丁寧に彫り上げられ、黒漆で仕上げられているそうだ。
台座下に躍動的な十二神将像がとりつけられている。
その他
西へ徒歩15分くらいのところに弘仁寺がある。
さらに知りたい時は…
『奈良県指定文化財』37集、奈良県教育委員会、1997年
『奈良市の仏像』、奈良市教育委員会、1987年
