唐招提寺地蔵堂の地蔵菩薩像
毎年8月23、24日に開扉

住所
奈良市五条町13-46
訪問日
2015年8月24日
拝観までの道
近鉄橿原線の西ノ京駅で下車、東側に出て、線路と平行している道を北へ5〜10分行くと、突き当たりが唐招提寺である。
寺域北側にある地蔵堂は毎年8月23日、24日の日中に開扉されている。
拝観料
地蔵堂は志納(唐招提寺入山料1,000円)
お寺や仏像のいわれなど
唐招提寺は南大門を入ると正面が金堂、その後ろに講堂がある。さらにその先に食堂があったらしいが、現存しない。そして、さらにその背後、一段高くなったところに鑑真像をまつる御影堂、覚盛像を安置する中興堂、そして地蔵菩薩像をまつる地蔵堂がある。普段は非公開で、それぞれ開扉期間が定められている。
地蔵菩薩の縁日は24日、特にお盆に近い24日である旧暦7月24日は地蔵盆と呼ばれ、地蔵菩薩はことに子どもの守り本尊とされるので、子どものためのお祭りとして近畿地方を中心に祭礼を行うお寺や町内が多く見られる。
唐招提寺の地蔵堂はこの地蔵盆の旧暦7月24日を新暦で1月ずらし、8月23日、24日の両日に開扉される。
拝観の環境
堂内近くより拝観させていただける。
仏像の印象
像高は約160センチの立像。一木造で内ぐりもない古様なつくりである。
両手先や足先(くつを履いている)は後補。
小顔に対して腰を高くとって下半身がとても長い。
目は細く、切れ長である。眉、目、鼻、口がぐっと集まっているような印象である。
胸のふくらみの間と股間の中心線がずれているのは、神護寺薬師如来像を思わせる。また、太めの下半身に丁寧な衣を刻むのは、安産寺(中村区)の地蔵菩薩像を思わせる。ただし、衣のひだは安産寺像とは異なって縄のような太いものと細い山を繰り返す。
胸元の渦巻きの文や強調された太もも、また強く張り大きく穴をあけた耳が印象的で、なんとも魅力的な像である。
その他
地蔵堂の東側の御影堂では毎年6月5日~7日に鑑真像(奈良時代)が拝観できる。ただし2015年より御影堂は修理中となっているために、新宝蔵での公開が予定されているとのこと(2020年ごろまで?)。
地蔵堂の南側の開山堂は、近年鑑真像の「お身代わり」像が実物と同じ乾漆の技法でつくられ、安置されている。この像はいつでも拝観が可能である。
地蔵堂の西側にある中興堂では、鎌倉時代に本寺を中興した覚盛上人像(室町時代)をまつっている。こちらは上人の命日である5月19日(うちわまきの行事が行われる)に開扉されているらしい。
