慈眼院の大日如来像

正月3が日に多宝塔開扉

 住所

泉佐野市日根野626

 

 

訪問日 

2016年1月1日

 

 

この仏像の姿は(外部リンク)

慈眼院・文化財・彫刻

 

 

 

拝観までの道

慈眼院(じげんいん)はJR阪和線、関西空港線の日根野駅下車、東南に徒歩約30分。日根野駅東口にはタクシー常駐。

バスは、南海の泉佐野駅から日根野駅前を通って犬鳴山行き南海バス犬鳴線(21系統)で「東上(ひがしうえ)」下車、南にすぐ。

 

鎌倉時代の美しい多宝塔で有名なお寺である。拝観には事前連絡が必要。

しかし、1月1日~3日については事前連絡なしに拝観ができ、またこの期間に限って多宝塔と金堂の扉を開いてくださっているので、安置仏を拝むことができる(節分の日も?)。

 

このお正月の3が日は、お寺のすぐ隣(南東側)の日根神社の境内から直接入れるようになっていた。

日根神社は初詣の参拝の人が大勢いらしていたが、そこから慈眼院の庭へと入ってくる人はあまりいず、静かに拝観ができた。

 

 

拝観料

この正月のご開扉に関しては拝観料等の設定はなかった(普段の事前連絡による拝観の際には入山料200円)

 

 

お寺や仏像のいわれなど

今は隣同士の日根神社と慈眼院だが、かつてはさらに密接な関係、すなわち慈眼院は日根神社の神宮寺であった。

このあたりは平安時代後期以後開かれた土地といい、鎌倉時代前期に摂関家のひとつ九条家の荘園となった。慈眼院という名称も、16世紀初頭にこの地にやってきた時の関白、九条政基によってつけられたものだそうだ。

 

 

拝観の環境

多宝塔は南西を向いて建つ。一層目の一辺は3メートルもない、小さく美しい塔である。立派な基壇と高い床下は近代の修復によってこのようになったものだそうで、本来は現状よりはふわりと地面から立ち上がっている感じだったらしい。きっとさらに可愛らしく感じられる姿でだったと思われる。 

 

10段の石段を上ると、正面にはめられた格子越しに中を覗けるように扉を開いてくださっていた。 

私が訪れたのは1月1日の夕刻、16時40分くらいだった。日は傾き、西の空には雲はなく、日根神社の拝殿の屋根ごしからまっすぐに多宝塔初重の格子戸内へと光が差してきた。あまりに美しいひとときだった。

 

 

仏像の印象

塔の本尊は智拳印を結ぶ金剛界大日如来像である。

像高は約70センチの坐像。寄木造。平安時代後期~鎌倉時代のころの作。

顔は後補の箔のために目鼻立ちはあまりくっきりとはしていないが、優しくおだやかな顔つきである。胸、二の腕などやわらかい肉づきが魅力的である。

手はお腹の前でゆったりと組む。

膝前部分は後補。

 

 

さらに知りたい時は…

『ふるさとの仏像をみる』、内田和浩、世界文化社、2007年

『週刊朝日百科 日本の国宝』036、朝日新聞社、1997年10月

『大阪の仏像100選 ふるさとの仏を訪ねて』、府政新聞社出版部、1994年

 

 

仏像探訪記/大坂府