如願寺の聖観音像
8月9日、10日に開扉
住所
大阪市平野区喜連6-1-38
訪問日
2017年8月9日
拝観までの道
大阪市営地下鉄谷町線の喜連瓜破(きれうりわり)駅下車。北東へ徒歩約10分。楯原神社という大きな神社が見えてくる。
駅から行くと、お寺に入るにはこの神社の境内を通らせていただくことになる。かつてはお寺と神社が一体となっていたのだろう。
如願寺の本尊は聖観音像。秘仏で、8月9日、10日の千日まいりの際に開扉される。
拝観料
志納
お寺や仏像のいわれなど
飛鳥時代に創建され、喜連寺と称したという。平安時代初期に空海が再興して如願寺と改めたと伝える。
真言宗寺院。
本堂は江戸時代中期の再建。
拝観の環境
堂内、近くよりよく拝観させていただけたが、お顔は帳のかげになり、あまりよく見えなかったのは残念だった。
仏像の印象
像高は約110センチの立像。ケヤキの一木造。平安時代前期から中期にかけての頃の作と考えられる。
実に美しい観音像である。
体つきがとてもスレンダーで、腰を強く左にひねり、それによる衣の揺れが表現されている。下半身全体が美しいカーブを描き、とても魅力的である。
また、下肢は両足のふくらみをあらわして衣が薄く表現され、ひだの線は浅い。
両足間には縦に3つ、渦巻き状の紋がつくられているのも印象深い。
その他
本堂内にはほかにも多くの仏像が安置されているが、本尊に向かって右側手前に安置されている地蔵菩薩は本尊ほどではないものの、平安時代までさかのぼる古像である。
像高約90センチの立像。
お腹で裙の結び帯が見える。
若干傾き加減の姿勢や笑みを浮かべた表情は、素朴だが可憐さを感じさせる。
さらに知りたい時は…
「ひと」(『朝日新聞』2019年3月20日)