地蔵院の不動明王像
毎月28日に拝観可

住所
川口市桜町5−5−39
訪問日
2018年12月28日
この仏像の姿は(外部リンク)
拝観までの道
埼玉高速鉄道線の新井宿駅下車、南に徒歩約10分。
不動明王像は境内の不動堂に安置される。毎月28日に護摩がたかれ、その時に拝観できる。
拝観料
志納
お寺や仏像のいわれなど
古代以来の古い寺院というが、歴史はよくわからない。江戸時代には十数か寺を従えた大寺院であったと伝える。真言宗寺院。
不動明王像は、鎌倉時代前期の作。上品でかつ迫力をそなえた素晴らしい仏像である。
鎌倉時代前期には、幕府の有力な御家人が仏像をつくらせてまつるということをさかんに行っていたので、本像もそうした経緯によるものであるかもしれない。
なお、この地域は2011年に川口市に編入させる以前は鳩ヶ谷市といったのだが、鎌倉中期に鳩谷氏という地頭がいたことが知られている。
拝観の環境
護摩焚きは14時からで、その際に拝観が可能とうかがっていたので、14時すぎに着くと、ちょうど行事がはじまったところだった。大太鼓が打ち鳴らされる中で護摩がたかれ、お経が読まれる。時間は30分ほど。
般若心経の読経中に信者の方々とともに本尊の前に進んでおまいりさせていただき、また法事の終了後にも像の前でよく拝観させていただくことができた。
仏像の印象
像高50センチ強の立像。割矧ぎ造、玉眼。
一般的な不動明王像とは体勢が異なる、いわゆる異形像である。
右手を曲げて、剣を後ろにかつぐように振りかぶる。髪が風に大きくはためく。左手は、体の横でなく中央まで持ってきて羂索を持つ。
珍しい姿勢だが、動きそのものには誇張したところはなく、安定感がある。
頭部は小さく、両目は見開き、口は上の歯を見せて下くちびるをかむ。眉をあげ、眉間にしわを寄せ、ほおをふくらませるが、怒りの表情の中に品がある。
肩幅を大きく取り、腰を右にひねり、左足を半歩前に出す。
さらに知りたい時は…
『仏像の姿(かたち)』(展覧会図録)、三井記念美術館、2018年
『運慶』(展覧会図録)、神奈川県立金沢文庫、2018年
『鳩ヶ谷市の文化財』24、鳩ヶ谷市教育委員会、2001年