東浪見寺の軍荼利明王像
毎年1月28日に開扉
住所
一宮町東浪見3446
訪問日
2023年1月28日
この仏像の姿は(外部リンク)
一宮の文化財
拝観までの道
東浪見寺(とらみじ)は東浪見駅から徒歩約15分。駅からは「関東ふれあいの道」として、随所に案内がある。駅の北500メートルくらいのところにある踏み切りを渡り、西側に出ると、鳥居が立っており、かつて神仏混淆の信仰であったとわかる(本堂の手前にはユニークな顔立ちの狛犬もいる)。
本尊の軍荼利明王像は秘仏で、毎年1月28日に例大祭があり、開帳される。あらかじめ一宮町の教育委員会にお聞きしたところ、10時、13時30分に護摩焚きがあるとのことなので、その間の時間が拝観しやすいかなと判断して、11時ごろにうかがった。
石段下には数件屋台が出ていた。そこから合計200段くらいの階段を上がる。
拝観料
志納
お寺や仏像のいわれなど
天台宗軍荼利山観音院東浪見寺といい、寺伝によれば東国鎮護のために聖徳太子によって明王の尊像を安置したのがはじまりという。
本堂は17世紀末~18世紀前半の再建で、内外陣を仕切る密教本堂の形式をとっている。
近代初期の神仏分離令にあたっては、神仏混淆のこのお寺として困難があったようで、一時は本尊の軍荼利明王を日本武尊として乗り切ろうとしたらしい。結局本尊を取りのけて神社としたが、1894年になり旧に復し、1941年、改めて東浪見寺と称したという。
拝観の環境
本尊の軍荼利明王像は内陣の宮殿内に安置され、拝観は外陣から。
堂内にはたくさんの額が掲げられて、多くの信仰を集めていたことがわかる。
仏像の印象
像高は2メートルを超え、宮殿からは顔、胸、腰までしか見ることができない。また、風化、虫害が進み、顔立ちをはじめ、細部はわからない。腕も前の2手のみ残る。
カヤないしヒノキの一木造で、内ぐりもない堅牢な構造。かなり痛んでいるにもかかわらず、堂々たる存在感があり、驚かされる。
さらに知りたい時は…
「村の社の明治維新」(『千葉県の歴史 通史編 近世2』、千葉県発行、2008年)
→ 仏像探訪記/千葉県