下出羽区の釈迦涅槃像
コミュニティセンター安置の涅槃釈迦像

住所
匝瑳市八日市場下出羽イ2817
訪問日
2009年6月1日
この仏像の姿は(外部リンク)
拝観までの道
JR総武線の八日市場駅下車、徒歩5〜10分ほどのところ、下出羽コミュニティセンターの2階に安置されている像である。
拝観は匝瑳(そうさ)市教育委員会の生涯学習室に問い合わせること。管理されている方を紹介してくださるので、日時を打ち合わせて拝観させていただける。
拝観料
拝観料の設定は特にない。
仏像のいわれ
この像はもと西光庵という尼寺に安置されていたというが、現在はお寺はなくなり、地域のコミュニティセンター内に安置されている。
拝観の環境
すぐ近くで拝観できる。
仏像の印象
像高(といっても横たわっている姿なので、頭から足先まで)約130センチ、ヒノキの寄木造である。
体の右側を下にして横たわり、右手で頭を支える姿だが、実際には手は頭についていない。右肩をすっかりあらわにしているが、胸から肩、腕までの様子はなかなか写実的で、不自然さがない。顔は穏やかで、左目はつぶり、いまにも臨終を迎える姿であるが、右目には玉眼が使われ、わずかに目を開く。
体を覆う衣は賑やかにあらわされているが、これも不自然でなく、なかなか達者な彫りである。衣を通して体の起伏がよくあらわされている。足先には下の衣が見えているが、それが両足の間を通って足の裏の側へと続いている様子も、神経が行き届いている。
中世作(あるいは時代は下がるかもしれないが)の彫刻の涅槃像の傑作である。
その他
1997年には、野中寺の弥勒菩薩像や長谷寺の銅板法華説相図などそうそうたる仏像とともに海を渡り、ニューヨークのジャパン・ソサエティで展示された(「具現化された悟り-日本仏師の仏像芸術」展)。
さらに知りたい時は…
『仏像半島』(展覧会図録)、千葉市美術館、2013年
『ふさの国の文化財総覧 』2、千葉県教育庁教育振興部文化財課、2004年
『房総の仏像彫刻』、千葉県教育委員会、1993年
『千葉県文化財調査報告書』、千葉県教育委員会、1982年
「涅槃彫像」(『美術研究』318)、猪川和子、1982年1月