普門寺の千手観音像
堂々とした坐像の観音さま
住所
赤穂市尾崎825-2
訪問日
2015年7月26日
この仏像の姿は(外部リンク)
拝観までの道
場所は赤穂線の播州赤穂駅下車、東南へ徒歩25分。
駅前にはタクシーが常駐、また駅にはレンタサイクルもある(駅2階の観光協会で受付)。
バスの場合は、赤穂駅よりウエスト神姫バスで、「明神木」下車、北へ徒歩約8分。
駅から南東に1キロくらいで千種川(ちくさがわ)にかかる赤穂大橋(旧赤穂大橋)を渡る。さらに南東に200メートルほど行った左側(北側)に赤穂八幡宮があり、その東側の高台に如来寺、塩釜神社、普門寺の順で3つ寺社が並んでいる。
拝観は寺務所に申し出る(法事等ご都合もあると思うので、事前に問い合わせるのがよい)。
拝観料
300円
お寺や仏像のいわれなど
普門院は天台宗の寺院。寺伝によれば聖徳太子によって開かれたという古刹である。
もとは播州赤穂駅の北東の高さ250メートルほどの雄鷹台山(おたかだいやま)にあったという。この山にはもうひとつ天台宗のお寺があり、長安寺といったが、のちにこの2寺が合併し、現在地に移ったのが今の普門寺という。
本尊に向かって右側に薬師如来立像がまつられているが、この像が長安寺旧本尊なのだそうだ。
拝観の環境
本尊の千手観音像は本堂(普門殿)の壇上中央に安置され、すぐ前よりよく拝観できる。
仏像の印象
千手観音像は像高約120センチの坐像。一木造(割矧ぎ造?)で、平安時代中期ごろの作。
量感豊かな、実に頼りがいある観音さまである。おそらく近い時期につくられたのであろう坐像の千手観音像には香川・屋島寺の像や大阪・安岡寺の像があるが、これらとは力強い造形が共通しているように思う。
目鼻立ちは明快な印象である。目は切れ長にし、眉は高く円弧を描く。額は狭めに、口は小さめにつくる。
力強さの中に落ち着きや穏やかさも感じられる。
下肢の衣は厳しく足をくるみ、襞を強く刻む。
脇手などは後補。
さらに知りたい時は…
『赤穂市史』1、赤穂市、1981年