神蔵寺の薬師如来像
正月の3が日などに開扉
住所
亀岡市稗田野町佐伯岩谷ノ内院ノ芝60
訪問日
2016年1月2日
拝観までの道
神蔵寺(じんぞうじ、佐伯薬師)は、亀岡駅南口から京阪京都交通バス八田線で「国道佐伯」下車。バス停から西南西に徒歩約25分。
のどかな田舎道だが、最後はかなりきつい上り坂となる。大きなため池である大正池を左手に見て、渓流を渡ると神蔵寺の境内である。
本尊の薬師如来坐像は秘仏で、本堂裏手の東方閣(収蔵庫)に安置される。
開扉は1月1日~3日と4月8日(花祭り)、9月12日(薬師会)。
拝観料
入山料300円
お寺や仏像のいわれなど
この地は比叡山の真西にあたるといい、最澄によって開かれたと伝えられる。
近世(17世紀)に天台宗から臨済宗に転じ、今日に至る。
拝観の環境
収蔵庫の入口にはまった格子戸のガラス越しに拝観する。
堂内はライトがあり、比較的よく拝観できた。
仏像の印象
薬師如来像は像高1メートル弱の坐像。寄木造。平安時代の作。
こんもりと盛り上がる肉髻、丸く張った顔立ちで、眉は美しく弧を描き、目は伏し目がちとする。鼻の下やあごは小さめにする。平安時代後期の貴族好みを反映した典型的な像容がよくあらわれている。
上半身は大きいが、抑揚は少なく、おそらく体の厚みは薄いのだろう。
膝の高さは低めに、衣は流麗に流れる。ことに脚部の衣のひだは美しい。右肩にちょっとだけかかる衣にきざまれた数条のひだがアクセントになっている。
その他
脇侍の日光、月光菩薩像(像高150センチ余り、寄木造)は本尊からやや遅れ、鎌倉時代になって補われたものと考えられている。
さらに知りたい人は…
『新修亀岡市史 資料編』4、亀岡市史編さん委員会、1996年