龍源院の釈迦如来像

鎌倉時代中期の基準作例

住所

京都市北区紫野大徳寺町82-1

 

 

訪問日 

2018年2月4日

 

 

 

拝観までの道

龍源院(りょうげんいん)は大徳寺の山内にある塔頭である。最寄バス停は「大徳寺前」。

バス停の西側にある大徳寺前交差点をさらに西へと北大路通を進み、大徳寺の南門から入って北へ。または、大徳寺前交差点から北へ大徳寺通(旧大宮通)を行き、大徳寺総門を入って西に進んでもよい。

 

 

拝観料

350円

 

 

お寺や仏像のいわれなど

龍源院の創建は16世紀初頭。古い様式を残した方丈と、清らかなお庭で有名である。

南面する方丈の中の中心の間である室中というお部屋の奥の仏壇にまつられている釈迦如来坐像は、お寺の歴史よりもはるかに古い鎌倉時代中期の仏像である。どのような経緯でこのお寺にまつられることになったのかは不明。

 

 

拝観の環境

拝観位置からはやや距離があるので、一眼鏡のようなものがあるとよい。

 

 

仏像の印象

像高は約50センチ。髪際からだと45センチとなり、立つと3尺という大きさでつくられた像である。ヒノキの寄木造で、玉眼を入れる。表面の漆箔は後補。

 

とにかく上品で美しい仏像という印象を受ける。

螺髪は丁寧に整い、髪際は中央が若干カーブする。目はやや中央に寄り、額、あごのバランスがよい。顔面の骨相や肉付きを強調せず、大人しい表情である。

腕はあまりすらりと伸びた感じでなく、左手は小さめにあらわして、胸の前でてのひらをこちらに向け、右てのひらは上に向け、膝の上、やや内側向けとする。

脚部はあまり張らず、あまり高くない。衣は流れるように美しく表現されている。

 

像内に短い銘があり、1250年に行心がつくったことがわかる。しかし残念ながら作者である行心については他の事績は知られず、また、本来まつられた寺院がどこだったのか、誰がつくらせたのか等、わからない。

 

 

さらに知りたい時は

『日本彫刻史基礎資料集成 鎌倉時代 造像銘記篇』6、中央公論美術出版、2008年

 

 

仏像探訪記/京都市