藤井斉成会有鄰館の中国仏像

  第1、第3日曜日に公開

住所

京都市左京区岡崎円勝寺町44番地

 

 

訪問日 

2007年9月2日

 

 

 

入館までの道

京都の地下鉄東西線の東山駅を降り、東北方向へ5分ほどゆくと、京都国立近代美術館や京都市美術館がある一角へと出る。

藤井斉成会有鄰館(藤井有鄰館)は、琵琶湖疎水をはさんで、国立近代美術館の向かい側である。戦前の建物の屋上に中国式の八角堂が移築されているというユニークな姿であり、近くまで行けばすぐわかる。

開館日は、毎月第1・第3日曜日の12時から15時(ただし1月と8月は休み)のみ。

 

 

入館料

第1館が1,000円、第2館が400円。

 

 

藤井有鄰館について

近江出身の実業家・藤井善助が収集した中国美術を展示するために開設されたミュージアムで、創立は1926年にさかのぼる。収蔵庫を兼ねた展示館である第1館と、戦前の洋館(華族の住宅を移築したもの)を展示室とした第2館に分かれている。

第1館は3階まで展示室があり、石仏は1階、金銅仏は2階に展示されている。

そのほか、中国の書や陶磁等にも見るべきものが多い。

日本の美術は少ないが、第2館の2階には平安時代後・末期ごろの如来像が展示されている。

 

 

仏像の印象

第1館の1階でひときわ目を引くのは隋時代(6世紀後半〜7世紀前半)の石造金剛力士(仁王)像2躰で、像高が2メートル近く、石窟寺院の入り口を守っていた像という。膝から下は後補であり、割れや補修のあともあるが、全体に状態はよい。

顔つきは、なんともいえない味わいがある。また、首、体のひねり、手の動きなどユーモラスである。天衣(てんね)は、石という素材にもかかわらず柔かさ、軽快さを表現することに成功している。

 

金銅仏では、中国の仏像の中でも最も古風な姿の菩薩立像(古式金銅菩薩立像、北魏成立以前の五胡十六国時代の作という)が所蔵されているが、残念ながらレプリカが展示され、実物の展示予定は今のところないという。しかし、南北朝時代の華麗な三尊仏など、すぐれた像が展示されている。

 

 

さらに知りたい時は…

『中国の美術1 彫刻』、松原三郎編、淡交社、1982年

『解説版 新指定重要文化財3、彫刻』、毎日新聞社、1981年

『二王像(『日本の美術』151)、倉田文作、至文堂、1978年12月

『東洋美術3 彫塑』、長広敏雄編、朝日新聞社、1968年

 

 

仏像探訪記/京都市