神光院の薬師如来像
7月21日、29日の法要の日は本堂開扉
住所
京都市北区西賀茂神光院町120
訪問日
2014年7月21日
拝観までの道
神光院(じんこういん)は、地下鉄の北大路駅で下車し、北大路バスターミナルより京都市バス1系統(北1系統とは別)または37系統の西加茂車庫行きの乗車して「神光院前」下車。
降りたところが神光院のすぐ脇。南側に回り込んで行くと入口がある。
筆者が拝観にうかがった日は、キュウリ封じの行事の日だった。
それは、6月末ごろに電話にて拝観をお願いしてみたところ、キュウリ封じの行事を行う7月21日と29日の日には本堂を開けているのでよいというお話をうかがったためである。
7月21日の16時少し前に着くと、ちょうど午後のご法要が終わったところで、堂内、近くより拝観させていただくことができた。
拝観料
志納
お寺や仏像のいわれなど
お寺は、賀茂川をはさんで直線距離にして東、数百メートルのところにある上賀茂神社と関係が深い。13世紀前半、上賀茂神社の神職が託宣を受けて建てたのがこの神光院であるとのこと。
本尊は弘法大師像で、京都三大弘法のひとつという(あと2つは東寺と仁和寺)。空海がきゅうりに疫神を封じたことにちなみ、キュウリ封じの行事で有名という。
本寺の薬師如来像は平安前期の作。もと上賀茂神社にまつられていた像。
神光院の史料によれば、上賀茂神社神宮寺に安置されていたが、近代初期の神仏分離に際してこの寺に移されてきたとある。
拝観の環境
本堂、本尊に向かって左側に安置されている。
近くより拝観させていただけた。本尊の厨子に近い位置にお立ちになっているので、向かって右側(左半身)の様子は若干分かりづらい。
仏像の印象
像高は120センチ余りとそれほど大きな像ではない。カヤと思われる針葉樹材の一木造。手先、足先などに後補部がある。
一見していかにも霊像という雰囲気である。
螺髪はなく、肉髻は大きくつくられる。目は切れ長だが、厳しいまなざしを感じさせ、口も小さいが力強く結ばれる。
胸の衣は大きく広げられて、胸と腹の境は2本の線で強くあらわされる。
袈裟の衣の線はうねるようで、また袈裟の下部はひらひらと風に揺れるようにつくられている。
その他の像
壇上向かって右側に安置される十一面観音像、地蔵菩薩像も上賀茂神社からきた仏さまという。ことに十一面観音像は旧神宮寺本尊という。
一方、地蔵菩薩像は足ほぞの銘に鎌倉時代後期の1312年の年が書かれていること、また像内に小地蔵菩薩像が多数納入されていることで貴重な作例だが、像高は約160センチと薬師如来像よりも大きく、顔が陰になり見えづらい。
さらに知りたい時は…
「研究史料 京都・神光院蔵 木造地蔵菩薩立像」(『美術研究』408)、皿井舞、2013年1月
「研究史料 京都・神光院蔵 木造薬師如来立像」(『美術研究』404)、皿井舞、2011年8月