上品寺の釈迦如来像
行基作との伝承がある
住所
四日市市貝家町47
訪問日
2018年3月11日
この仏像の姿は(外部リンク)
拝観までの道
上品寺(じょうぼんじ)は四日市駅の西南、市内の貝家(かいげ)というところにある。
交通は、近鉄四日市駅の南口に接しているあすなろう四日市駅からあすなろう鉄道に乗車し、終点の内部(うつべ)駅下車、西へ徒歩約25分。
あすなろう線はもと近鉄の支線で、一時は廃線、バス代替の方針が出されたものの、市の出資によって第三セクターとして存続を得た。狭軌、3両編成、全線乗っても20分というかわいらしい路線である。
バスの場合は、お寺の南側に「貝家」バス停があるが、ここを通る路線は本数が少ない。一方、お寺の北東徒歩約10分のところにある「波木南台二丁目」を通るバス(「笹川テニス場」方面行き三重交通バス)は比較的本数が多い。
拝観料
特に拝観料等の設定はなかった。
お寺や仏像のいわれなど
浄土真宗寺院だが、もとは天台宗という。
釈迦如来像は行基作と伝えられるが、平安時代中期ごろの作。近くにあった成保寺(9世紀なかばの創建と伝える)の本尊という。
拝観の環境
本堂に向かって左側、耐火式につくられた釈迦堂にまつられている。
近くよりよく拝観させていただけた。
仏像の印象
像高は約1メートルの坐像で、クスノキの一木造。脚部は江戸時代の後補で、当初のものは別に保存されている(かなり傷んでいる)。
内部は内ぐりとなっているが、木のウロなのかもしれない。こうした使いにくい材をわざわざ用いたのは、その木に特別な意味があったからであろうか。正面から見たところとても堂々としているが、横からの姿を写真で見ると意外に奥行きがないのも、材の制約によるものなのかもしれない。
肉髻は低くつくり、頭は帽子をかぶったような形にあらわされる。
顔は幾分斜め下向きで、眉は長く引かれ、目は釣り上がり気味とし、顔つきを引き締めている。鼻も大きい。ほおの張りも十分で、威厳を感じさせる。
胸は堂々と豊かである。
衣は肩のあたり、風化も進むが、幾筋ものひだをにぎやかに刻んでいて、魅力を感じる。
さらに知りたい時は…
『四日市の文化財 ふるさと文化の源流』(展覧会図録)、四日市市立博物館、2003年
『四日市市史』4(史料編 文化財)、四日市市、1989年